2024年も、皆々様に支えながら、31枚の御胴を納めることができました。感謝いたします。
2023年には、50枚/年もの胴をしあげることができ、確定申告をして納税もできましたが、2024年は、経常利益自体は赤字となり、納税はかないません。勤め先での勤務状況が変わってしまったことがありますが、枚数自体はそれなりにこなしたものの、やはり、ペースが落ちると無駄になる材料が率的に多くなってしまい、また、2024年には、新品の樹脂胴を出したことが多くて、利益率が低下してしまったことが大きかったです。
2025年も、それほど枚数は増やせませんが、納める皆様に喜んでいただくとともに、再び確定申告ができるだけの利益を出せるように精進しますので、本年もよろしくお願いいたします。
なお、今年最初に出す胴は、昨年から進めてきた43本立の拭漆塗胴です。
ベースにしたのは、古い浅野胴台で、胸には修理痕もありましたが、胴台はしっかりしていて、また、修理も非常に丁寧に施されていました。竹も革もかなり分厚い胴台だったので、拭漆塗にしあげました。
なにぶん、古い胴台だったので、すこし透を厚く重ねて、拭漆というよりは、透の漆塗に近い状態になっています。
胴裏も、朱漆をすべて剥がして、拭漆塗にしあげています。
凹凸がある胴裏から、一度塗られた朱漆をきれいに取り去るのは大変な手間ですが、生地/拭漆塗胴の胴裏には、やはり、素材となっている竹のようすがそのまま見えるようにしておくのが美しさのバランスが良いと、私自身の好みで感じているので、頑張りました。
年初ということで、それなりに凝った塗の胴が出せればよかったのですが、タイミング的に拭漆塗の胴となりました。
来月は、しごとが繁忙期に入ってしまうので、できれば、今月、もう一枚仕上げて出したいと思い、鋭意励んでいます。